振り飛車一筋・KYSの将棋ブログ

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アマ四~五段の終盤力を養成する一冊『プロの手筋 詰めと必死四〇〇』

将棋が強くなる方法は数あれど、絶対に避けて通れないのが「終盤力の強化」です。

ただ、一口に「終盤力の強化」とは言いますが、棋力に応じて適切な方法は変わってきます。初心者~級位者なら、簡単な詰め将棋を解いたり、寄せの手筋本を繰り返し読んだりするのがよいでしょう。

アマ初段に到達すれば、ちょっと長い詰め将棋や必死問題、プロの実戦を並べて終盤の呼吸を会得するといった方法も取り入れる必要があります。

アマ四~五段を目指すならば──具体的に言うと、都道府県大会で優勝して全国大会に行きたい! という場合──十数手の詰め将棋でも苦にしないだけの力量は身に付けなければいけません。そのためにオススメの一冊が、今回紹介する『プロの手筋 詰めと必死四〇〇』です。

問題は最低でも十数手詰み 20~30手の詰みもある

『プロの手筋 詰めと必死四〇〇』、前半部分は「プロの実戦で現れた長手数の詰み問題」が250問です。実戦で現れた詰み手順なので、詰め将棋と違って駒が余ったりします。とにかく詰ませばOK。

出題は、矢倉や角換わり、対抗系、相振り飛車などの戦型別に分類してあります。が、詰む詰まないの場面に、居飛車も振り飛車も関係ないので、全部解けばいいです。

出題される問題ですが、詰ますまで十数手かかるのが普通で、20~30手モノもあります。初段では解けないでしょう。三段くらいはないと苦しい。

全部自力で正確に解ければプロ級だと思うので、自力で解くことにこだわらず、答えを見ながら進めればいいと思います。しばらくウンウン唸って考える → 解答手順を頭に入れたうえで、再度問題図を見る → 詰め手順を頭の中で再現する。この繰り返しで詰ます力が向上していく感じです。

私もアマ二~三段だった頃に、一段上の棋力を身に付けようと、この本をみっちりやり込みました。その結果、「この局面はたぶん詰んでる」という直感が働くようになり、終盤の競り合いをモノにできることが増えました。

「長手数でもキッチリ詰ます力」がないと勝ち抜けない

ちょっと話が逸れますが。

アマの将棋大会は持ち時間が少ないので、詰む詰まないの場面では、時間切迫になっているケースがほとんどです。プロレベルの高度な終盤術──詰めろ逃れの詰めろ・捨て駒で速度を逆転させる・渡せない駒を見越して攻めたり受けたり──は、ほとんど出現しないと思ってよいでしょう。

では、アマ大会を勝ち抜くために必要な能力は何かというと、「詰んでいる局面では長手数でもキッチリ詰ます」です。アマ大会はトーナメント戦が多いので、詰んでいる場面で詰まし損なう、すなわち勝ち将棋を取りこぼすと、上位進出は難しくなります。

アマ竜王戦で、都道府県大会の決勝まで行ったときの話。きわどい展開になりました。私は相手玉を受けなしに追い込み、あとは自玉が詰むかどうか。詰んだらしゃあない、との開き直りです。しかし、長手数をキッチリ詰まされて無念。

「長い詰みより短い必死」とか言い訳して、長手数の詰め将棋を敬遠している人。

相手「必死をかけて下駄を預ける! 詰ましてみぃ!」
自分「アカン! 長手数は詰ませられん!」
相手「やったー! 開き直り成功!」

こんな感じで、相手に勝ちを渡すことになりますよ。本書は、こうした場面で発揮すべき長手数の詰み力を養うのにピッタリの一冊です。

後半の必死問題は難しい

本書の後半は、プロの実戦で出てきた必死問題150個です。実戦が元ネタなので、「妙手順が出てくる作品的な必死問題」ではなく、泥臭く追い込んでいく地味な問題(笑)が多いです。華麗なのもありますが。

まあ、実戦では泥臭い地味な寄せを逃さないのが大切ですけどね。

ただ、必死の形が完成した後の詰ます手順がけっこう難しかったりします。「これにて必死完成 → 次に十手前後の詰み」みたいな……。そりゃ難しいって(笑)

必死は詰め将棋を内包しているので、手数が長くなるのはやむを得ないのですが……。ちょっと手が出なさそうな人は、真面目に解かずに、必死~詰みに持っていく流れの鑑賞に徹する、と割り切ってもOKだと思います。

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