振り飛車一筋・KYSの将棋ブログ

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「長い詰みより短い必死」は個人的に疑問を感じる

格言「長い詰みより短い必死」

下手に長手数の詰み手順に踏み込むより、短手数の必死で相手を仕留める方が、間違いが少なく安全である。

これ、必死集(本)の前書きなどで、よく言われていることです。
そのものズバリの『詰みより必死』という本もあるくらいです。

 

必死をかけて勝つのは意外と難しい?


しかし、一見もっともに思えるこの格言、私はあまり賛成できません。
というのも、「長い詰みより短い必死」で勝つのは意外に難しいと思うからです。

必死で勝つためには、一つだけ条件があります。

自玉の不詰みを読み切ること。

当たり前ですが、相手玉に必死をかけても、その瞬間に自玉が詰まされれば負けです。
つまり、自玉が詰まないことを確認したうえで、必死をかけなければいけません。

しかしこれ、持ち時間が短いアマの将棋では、かなり難しいです。

「相手玉への攻め」と「自玉の受け」という、異なるベクトルの読み2つを、短時間で正確に処理する。
これは高段者でも容易ではありません。
思考が分散して、どちらの読みも中途半端になってしまったりします。

「詰みそう」と思ったら思考のリソースを詰みに全投入


もちろん、自玉が詰まないのが簡単に判明する局面なら、「長い詰みより短い必死」でいいでしょう。
たとえば、自玉が穴熊にすっぽり収まったままで、王手が掛からない「ゼット」の形になっているとか。

しかし、実力が拮抗した人同士の対戦だと、そういう“大差”になることは少なく、最後はだいたい一手違いの状況になります。

そういう場面では、詰みそうだと思ったら「相手玉を詰ます」に思考のリソースを全投入した方が、良い結果につながることが多いです。
少なくとも、私の経験ではそうです。
(もちろん、相手玉に詰みがなければ、詰めろ or 必死をかけるか、いったん自玉の受けに回るかの必要がありますが)

普段から詰め将棋で鍛えて、「この局面は詰みそう・詰まなさそう」という直感を磨いておくのが大切ですね。