振り飛車一筋・KYSの将棋ブログ

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実戦次の一手・終盤編No.6

本日の記事は、「実戦次の一手」です。私の実戦の変化図から、みなさんの参考になりそうな場面を紹介します。

相穴熊の終盤戦 急所の筋を突けば一撃必殺!

相穴熊の終盤戦、振り飛車側が居飛穴に喰いついて、あと一歩で攻略できそうな場面が今回の問題図。

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龍・と金・持ち駒の銀で、どう攻めるか? 角金銀の3枚で守られた穴熊は、まだ堅そうに見えますが、ここでは綺麗にフィニッシュする一手があります。↓クリックするとヒントが開きます。

問題図でやってはいけないのが▲3二とです(↓図)。

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と金で角を取る自然な一手のようだが悪手

これは△3二同金と取られて、金が守りに働いてくるので、一気に難しくなってしまいます(↓図)。

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ここから▲4三角△同金▲3二銀も、△3一金で攻め切れない

居飛穴側に3三金を活用させてはいけません。3三金は、穴熊玉の逃走路をふさぐ邪魔駒のままでいてもらいましょう。

問題図の居飛穴は、2二の地点が弱いです。3二角・3三金は、いずれも2二の地点には利いていません。

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再掲・問題図

つまり振り飛車としては、2二の地点を攻めれば「数」で押し切ることができます。2二の地点を攻める一手を探してください。

さて、いかがでしょうか?
結論が出た方は、↓クリックして答えをご確認ください。

正解は▲3一銀です。なんとこれで相手玉は受けなしです!

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これがこの形での「筋」

↑図は放置すると、次に▲2二銀成△同玉▲3一龍△1一玉▲2二銀で詰みます。よって、何か受けなければいけませんが、持ち駒を打って2二の地点に利きを増やすことはできません。

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再掲・正解図。居飛車が2二の地点に援軍を送れないことを確認しよう

よって、▲3一銀は△同銀と取るしかありませんが、▲同龍と取ります(↓図)。

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↑図は次に▲2二銀で詰みますが、たとえば△2二銀(↓図)などと受けても、▲同龍~▲3一銀~▲2二銀打で詰み。

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これは受けになっていない

居飛車が香車や桂馬を持っていれば、2二の地点に埋めて詰まないのですが……。現実には、持ち駒が角・金・銀なので、どれを2二に打っても▲同龍で逆用されて詰まされるのですね。

まとめますと、本問のポイントは以下の二つです。

  • 2二の地点をロックオンする
  • 3二角と3三金には触らずに攻める

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