振り飛車一筋・KYSの将棋ブログ

級位者から有段者までどうぞ! 自戦記や棋書紹介、将棋雑記など、いろいろなネタがあります。

プロから「詰め将棋色紙」を貰ったのだが……

まずは何も言わず、↓の「詰め将棋」を解いてみてください。

f:id:KYS:20201011164527p:plain

今回の記事のテーマ図


はい、いろいろ言いたいことはあるかもしれませんが、とりあえず話を進めさせてください。

 

プロ棋士から貰った詰め将棋がおかしい???


数年前、私が実家に帰省したときのこと。
最近、新しい職場に勤め始めた母親が、「いいものがあるのよ」と言った


母「アンタ将棋指すでしょ? ○○ってプロ棋士は知ってる?」
私「そりゃー知ってるよ」
母「その○○プロの奥さんがね、私と同じ職場で働いてるのよ」

へぇーそりゃ奇遇。
ていうか、○○プロってウチの地元出身だったのか……。
大変失礼ながら知らなかった(^^;)

母「それでねぇ、『ウチの息子が将棋好きなんです』って言ったら、奥さんがサイン色紙を持ってきてくれたのよ。『息子さんにどうぞ』って」

おおープロのサイン色紙!
それは欲しい!
というわけで、母親から色紙を受け取りました。

まあ厳密にはサイン色紙ではなくて、色紙に詰め将棋が描かれているものでしたけどね。
某プロが私のために作ってくださった詰め将棋。
それが冒頭で掲載した↓こちらなのですが……

f:id:KYS:20201011164527p:plain

某プロ棋士が作った「詰め将棋」だが……


んっ?
なにこれ???


なぜ私が首をひねっているか、おわかりでしょうか?
というのもこの詰め将棋、初手に▲3五角と打てば簡単に詰むからです。

f:id:KYS:20201011164713p:plain

これで簡単に詰んでしまうのだが……


▲3五角に対して玉が逃げる手はないので、2四に合い駒するしかないのですが、

① 持ち駒を2四に打つのは、▲1二金で詰み
② △2四歩と盤上の歩を移動させるのも、▲1二金で詰み
③ 一番長引かせるのは△2四龍の移動合いだが、▲同角△同玉▲2五飛(↓図)以下詰み

 

f:id:KYS:20201011164817p:plain

以下は簡単な詰め上がり


ていうか、③の順は持ち駒が余るから「詰め将棋」じゃないぞ。
うーむ、これはおかしい。

問題の作成ミス? 「飛車」と「龍」を間違えた?


もしかして、初手▲3五角に対して絶妙な受け方があり、私がそれを見落としているのか?
しばらくウンウン唸りながら考えたが、どう見ても▲3五角で詰んでいる。


これはアレだろ
問題の作成ミスだろ(^^;)



そういう結論に至り、いろいろ考えた結果、「正しい問題図はこれでは?」というものを見つけました。
それが↓こちら。

f:id:KYS:20201011163602p:plain

おそらくこれが正しい問題図


2一「龍」ではなくて、2一「飛」が正しいのではないかと。
龍が飛車に変わった(格下げされた)ことで、何が違ってくるのか?
この形で初手に▲3五角と打つと、△2四桂の合い駒くらいで詰みません。

f:id:KYS:20201011163742p:plain

詰まない。以下▲1一飛成は△1二歩、▲2二飛成~▲4四角は△1三玉でダメ


では正解手順は何なのか?
みなさん、少し考えてみてください。
(級位者の方にはちょっと難しいかもです)
答えが分かった方は↓クリックしてご確認を。

正解は▲2二飛成です。

f:id:KYS:20201011163847p:plain

上部に逃がさないための飛車捨て


△同玉と取るのが自然ですが、▲3一角と打ちます。

f:id:KYS:20201011163945p:plain

4三馬と連動した角打ち


△同玉なら▲3二金の頭金で詰む。
したがって△1二玉と逃げるのですが、そこで▲2一馬と捨てる。

f:id:KYS:20201011164159p:plain

飛車に続いて馬も捨てちゃう


以下、△同玉に▲2二金の頭金までですね。
大駒2枚を捨てての豪快な詰め手順(7手詰め)でした。

ちなみに初手▲2二飛成に対して△2四玉と上に逃げる手は、▲1三角という手があって詰みます。

f:id:KYS:20201011164303p:plain

角の長打力を活かした手


△1三同龍なら▲2五金。
△1五玉と逃げても▲1六金までです。



このように、「2一の駒は龍ではなく飛車が正当」というのが私の推測。
それなら納得できます。

詰め将棋の一部を“改変”して何度も楽しむ


ただし、他の推測も成り立ちます。
たとえば、「玉を描き忘れた」という可能性。
具体的には、2一の駒を龍にして、2七の地点に攻め方の玉を置いてみます。

f:id:KYS:20201011165009p:plain

2七に玉を置いてみる


この図で▲3五角と打つと、△2四香と逆王手されて詰みません。
したがって、▲2二龍△同玉▲3一角……と先述の順で詰ますしかないですね。

……といろいろ考えているうちに、「これはなかなか面白い勉強法では」と思いつきました。
つまり、詰め将棋の一部を“改変”して、その図が詰むかどうかを考える。

「もしこの龍が飛車だったら詰むか?」
「持ち駒の金が銀だったら?」
「この地点に攻め方の玉を置くと、逆王手の筋が発生する」

こうやれば、一つの詰め将棋を何度も楽しむことができます。
みなさんも試してみてください。