振り飛車一筋・KYSの将棋ブログ

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天守閣美濃(左美濃)に組むときは端歩を突いてから

私がまだ初級者だった頃、先生に口酸っぱく言われたことがあります。

天守閣美濃(左美濃)に組むときは、必ず端歩を突いてからにしなさい。

 

天守閣美濃を組むときは▲9六歩→▲8六歩の手順を守ろう


天守閣美濃に組むときは端歩を突いてから。
どういうことか?
↓の局面をご覧ください。

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今日のテーマ ここから天守閣美濃(左美濃)に組む


居飛車 vs 四間飛車の戦いですね。
ここから天守閣美濃に組むのであれば、まず▲9六歩と端歩を突きなさい、ということ。

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天守閣美濃への第一歩は▲9六歩と端歩を突く


端歩を突いてから▲8六歩~▲8七玉と天守閣美濃に組んでいく。
もう優に20年以上前になると思うのですが、「これが正しい手順だよ」と教わったことを、今でもよく覚えています。

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これが天守閣への正しい登り方


戻って、▲9六歩と端歩を突く前に、▲8六歩~▲8七玉と天守閣美濃に組みに行くのはNG。
たとえば、端歩を突かない天守閣美濃を見てください。

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端歩を突かずに天守閣に登った形


いかにも危ない格好です。
具体的には、△9五桂で簡単に王手がかかる形です。
これでは、中~終盤戦を爆弾を抱えたまま戦うことになり、指し手の選択肢が著しく制限(=安易に桂馬を渡せない)されます。

今回の例は天守閣美濃でしたが、ようするに先生の教えは、「自玉を容易に王手がかかる形に囲ってはいけない」ということです。

私の実戦から 端歩を突かない天守閣美濃の脆さ


私の実戦から一つ紹介しましょう。
手前の振り飛車側が私。
対戦相手が基本を守らずに、端歩不突きの天守閣美濃に組んできました。

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相手の天守閣美濃は欠陥住宅


こういう場合、振り飛車側から▲1六歩と突いてはいけません。
それは△1四歩と突き返されて、天守閣美濃が安全になってしまい、振り飛車が損をします。

なんとか、この状態のまま戦いを起こせないか?
私はそのように考えて指していました。
進んで↓図。

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天守閣に端歩を突かせないまま戦いに突入


いま、△5六角で龍金両取りをかけられたところ。
しかし、私はこの両取りを承知のうえで踏み込んでいます。
▲8一龍△7八角成に、▲1五桂の王手が痛打も痛打。

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激痛の王手 だから言わんこっちゃない(;´Д`)


△1四玉と逃げるのは、▲4一龍△同銀▲2三銀で簡単に寄り。
というわけで△2二玉と逃げましたが、▲2三銀△同銀▲4一龍と追撃して↓図。

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急所の1五桂を軸にして攻める


ここから先は本題から外れますが、せっかくですので、参考までに寄せの手順をご覧ください。
居飛車は△3二銀打と抵抗してきますが、▲2三桂成△同玉▲3一飛(↓図)。

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龍と飛車がうまく連動している形


次に▲3二飛成と▲2一飛成の両狙いがあるので、△4一銀と龍を取ります。
以下、▲2一飛成と王手をかけ、△2二角の移動合い(3三に退路を作った)に、▲4四歩(↓図)がこれぞ筋という一手。

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タタキの歩で3三~4四という相手玉の逃走路をふさぐ


この歩を△4四同金と取ると、玉の逃走路がふさがってしまいます。
よって△4二金と引きましたが、▲1五桂△3三玉▲4三金と俗手で迫り、投了となりました。

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△4三玉~△5四玉と上部に逃げるルートは▲6五金で捕獲できる


抵抗の余地がまったくないまま、天守閣は崩れ落ちました(笑)
本能寺での信長くらい、あっけないですね。
端歩を突かずに天守閣美濃に組むのがいかに危険か、こうした実戦例からも理解していただけると思います。