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今年の菅井竜也八段は一味違う!? いまのところ名人挑戦最有力か

振り飛車党のエースといえば菅井竜也八段ですが、王位のタイトルを1期で退いた後は、タイトル挑戦や棋戦優勝から遠ざかっていました。

それが今年の初め、朝日杯と銀河戦を制して弾みがついたのでしょうか。名人挑戦をかけたA級順位戦では、4戦を終えた時点で3勝1敗と好調です。

藤井・永瀬・斎藤との対戦を済ませて3勝1敗 これはイケる!

A級3期目の菅井八段ですが、過去2回は名人挑戦争いに絡むこともなく、特に見どころがありませんでした。それが今期はスタートダッシュに成功。

しかも、藤井聡太五冠永瀬拓矢王座の両タイトルホルダー、さらに前期挑戦者の斎藤慎太郎八段との対戦を済ませたうえでの3勝1敗なので、これはじゅうぶんイケるのではないでしょうか。

藤井聡太五冠戦で印象に残ったのが、▲9六歩の一手ですね。自陣に残っていた角を端から上手く捌いたのが印象的でした。

▲9七角の狙い。8八角は最終的に8二飛との交換になり、その飛車で藤井玉を追い詰めた

なお、いまのところ広瀬章人八段も同じく3勝1敗ですが、まだ藤井・永瀬・斎藤の誰とも対戦していません。また、藤井五冠も3勝1敗ですが、すでに菅井八段との直接対決で負けています。

そして、広瀬 vs 藤井という潰し合いが残っているので、広瀬・藤井のどちらかは一歩後退するのが確定しています。

このあたりをトータルで考慮すると、現時点では、菅井八段が名人挑戦にもっとも近い位置にいるのではないでしょうか。

菅井八段、次は豊島将之九段との対戦。ここを勝てば名人挑戦が見えてきます。菅井 vs 渡辺明名人の7番勝負は振り飛車シリーズ! そんなことになったら、私は歓喜のあまり昇天してしまうかもしれない。

「藤井聡太の最年少名人を阻んだ男」になれるのか?

なお、今期のA級順位戦最大の注目ポイントは、「藤井五冠の最年少名人記録更新なるか?」でしょう。もし名人挑戦 → 奪取となれば、谷川浩司十七世名人の持つ最年少名人記録を更新することになります。

しかし、藤井五冠が最年少名人記録を更新できる機会は今期だけ。最初で最後のチャンスです。だから菅井戦での敗北は、藤井五冠と藤井ファン(私の妻とか)には痛恨だったわけですが、振り飛車ファンとしては振り飛車が最高峰の棋士を打ち負かすシーンが観られ、シビれるものがあったでしょう。

私としては菅井八段に、「藤井聡太の最年少名人を阻んだ男」として歴史に名を残してほしいところ。こんなことを書くと、ひねくれ者だと思われそうですが……。

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