私の夢は「子ども向けの将棋教室を開くこと」なのですが、もし実現したら、生徒に運動させる時間も採り入れたいと思っています。学校風に言えば体育です。近くの公園でサッカーやドッジボールでもすれば、けっこう激しい運動になるかなあ。
集中力を維持するためには体力が必要
もし「将棋教室に運動の時間なんてムダ」と言う人がいたら、その人は将棋の何たるかを知らない、と断言できます。
なぜなら、結局のところ、将棋は体力勝負だからです。体力をつけるためには運動が必要。ですから私は、将棋が強くなりたければ、室内に閉じ籠って将棋の勉強ばかりするのではなく、適度に運動して身体も鍛えた方がいいと考えます。
それでなくても、最近の子どもは昔より体力が低下しているらしいですし。スポーツテスト?の結果が過去最低なんてニュースも見かけます。
もう少し詳しく「将棋は体力勝負」を説明しましょう。
対局中に求められる要素は集中力です。これは異論ないでしょう。そして、集中力を維持するためには体力が絶対必要です。たとえば、仕事や学校から帰ってきて疲れた状態では、集中力をじゅうぶんに発揮できないことは、みなさんも経験的に理解できると思います。
プロの将棋だと、持ち時間が長い場合は決着が夜になることが珍しくありません。一般の会社員にたとえれば、朝出勤して夕方終わりではなく、夜遅くまで残業するようなもの。体力がなければ務まらないことは明白です。
しかも、もっとも集中力が求められる終盤戦が、疲れのピークである夜に来ますからね。せっかく序~中盤で優位を築いても、体力消耗からくるポカをやらかしたのでは苦労が全部水の泡。
大会を最後まで勝ち抜くのは体力的にも相当シンドイ
アマチュアの大会でも、勝ち抜こう(優勝しよう)と思ったら体力は必須です。たとえば、アマ名人戦・竜王戦等で都道府県代表を獲るなら、一日に最低6~7局は連続して対局しなければいけません。
私も経験があるのでわかりますが、決勝まで辿り着いたときには体力を消耗していてヘロヘロなんですよ(笑)
このあたりのレベルまで来ると、対局者同士の力量は大差ないはずです。疲れから集中力を欠いた方が負けます。つまり、頭の中に入っている純粋な将棋能力(?)だけでなく、体力勝負という面が少なからずあるのです。
正確には、将棋の能力には体力も含まれている、と言うべきでしょう。
プロ棋士にはスポーツを趣味にしている人が珍しくありません。ストレス解消という面もあるでしょうが、対局に必要な体力作りも兼ねているのだと思います。
ちなみに、私の実家はド田舎の山の方にあったので、高校生のときは通学に自転車で30分以上かかりました。行き帰りで一日1時間は自転車を漕いでおり、あれは体力作りに役立ちました。
(雨や強風の日は大変でしたが)