本日の記事は、「実戦次の一手」です。私の実戦(終盤)から、みなさんの参考になりそうな場面を紹介します。
敗勢の場面での次の一手問題(笑)
振り飛車穴熊 対 居飛車引き角+美濃の終盤戦。私が振り飛車側で、すでに敗勢の局面。
この敗勢の局面から、次の一手を考えてもらいたいと思います。
「えっ、次の一手問題って、普通は勝ちを決める場面を取り上げるもんじゃ?」
まあそうですね(^^;)
そうなんですが、負け将棋の中にも勉強になることがたくさんありますし。今回の問題は、「もしここから逆転を狙うのであれば」という趣旨です。
さて、前置きはこれくらいにして、問題図を再掲します。
有段者レベルの問題なので、「わからん」という人や、級位者の方はヒントをどうぞ。↓クリックするとヒントが開きます。
この場面、次に△3八金と貼りつかれたらおしまいです。それだけは防がなければいけません。
△3八金を防ぐといっても、▲3九金などではダメです。以下、△3七桂と追撃されて受けになっていません。
ここは手持ちの角を使ってください。
さて、いかがでしょうか?
結論が出た方は、↓クリックして答えをご確認ください。
正解は▲5六角です。
これはいわゆる終盤の犠打の一種。2八銀だけの穴熊でも、このラインに角を利かせれば、数手は確実に稼げます。相手が△5九龍と回ってきたら、そこで▲8一飛成と勝負(↓図)。
角は見捨てます。
△5六龍と角を取られても、龍が穴熊陣から遠ざかるので、じゅうぶん角は働いたと考えることができます。これが先ほど「犠打」と書いた所以です。