振り飛車一筋・KYSの将棋ブログ

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「枯れ木も山の賑わい」で挑む将棋大会【前編】 実質角落ちヤバいよヤバいよ~

偉い人「えー、みなさんが日頃の練習の成果を存分に発揮されることを……」

 日頃の練習?
 なにそれ?

いや、マジで。仕事とか忙しくて、まったく事前準備できてないままの大会参加。学生がテスト前に「全然勉強してないわー」とカッコつけで言うやつとは違う。

何の話かというと、今年も市民将棋大会に参加したので、その参加レポです。過去の参加レポは↓こちら。

2020年の市民将棋大会

無勉強で挑むディフェンディングチャンピオン(笑)

ウチの市で毎年開かれる新春・市民将棋大会。2022(令和4)年の前回大会で優勝した私は、ディフェンディングチャンピオンとして連覇を目指す──

はずだったのだが、今年度は仕事や家庭が忙しいぞ。ブログ更新も満足にできなかったりする。そんな状況なので、大会のために将棋の勉強をする時間が取れませんでした。マジで無勉強。

正直自信がない。参加をやめようか……とも思いましたが、せっかく市が将棋文化振興のために開催してくれた大会。参加者が一人でも多い方が盛り上がります。……というか、参加人数が少ないと、将来的には大会自体が消滅してしまうかもしれません。それは嫌だな。

というわけで今回は、人数合わせの脇役と割り切って参加することにしました。「枯れ木も山の賑わい」なんて言葉もありますし。

大会は一発勝負のトーナメント 優勝には4連勝が必要

それではここで、大会の形式を説明しておきましょう。まず、参加者は「有段者クラス」と「級位者クラス」に分かれます。もちろん私は有段者クラス。ちなみに、参加人数は級位者クラスの方が多いですね。

コロナのリスクを少しでも抑えるため、なるべく短時間で大会を終わらせたい。そのため、参加者全員で一発勝負のトーナメントを行います。有段者クラスの参加人数は10名程度で、くじ引きの結果、私は1回戦から登場。優勝のためには4連勝が必要です。

なお、負けてしまった場合は敗者同士で対戦する「慰安戦」が行われ、参加者同士で交流できます。このへんは、コロナの行動制限が緩和された影響を感じました。前回の大会は、「負けた人は早く帰りましょう」的な雰囲気でしたし。

持ち時間は、30分切れ負け。一局が必ず1時間以内に終わるため、大会終了時刻の見込みが確実です。

【1回戦】三度目の激突! 予想通りの相振り飛車

どんな大会でもそうですが、初戦が一番緊張します。気になる対戦相手は……

またか

前回、前々回の大会でも対戦した御方です。みたびの激突。しかも前回2022年の大会では、1回戦で当たっています。つまり、前回大会の再現というわけ。

過去の2戦は、いずれも相振り飛車でした。今回の戦型も(予想通り)相振り飛車に。互いに三間に振るのすら予想通りで、私は穴熊。相手も穴熊を志向してきたのは意外でしたが。

実際は私が後手だったが、便宜上先後逆で表示

相手の左辺、やや形を決めすぎな感があります(序盤早々に△5四銀と出てきたetc)。そこから穴熊に潜ろうとするのは、手数とのバランスで、少し欲張りすぎな気がしました。私の囲いは一応完成しているので、動いてみたくなるところ。▲7五歩と伸ばして戦い突入モードへ。

しばらくの応酬の後、結局、相手は緊急避難的措置で△7二銀と美濃囲いに。△9二香の一手を無駄にさせたのは満足。形勢の良し悪しは別ですが。

しかしその後、私の方に悪手が出たり、踏み込みが甘かったりで、苦しい将棋になってしまいました。これは酷い。こちらの角が全然働かない実質角落ちみたいな展開に。ヤバいよヤバいよ~。頭の中で出川が叫びます。

とはいっても、そこは人間同士の対局。相手にもミスが出ます。それに乗じて、一段龍と▲6二金の基本手筋で相手の美濃囲いに喰い付いているのが↓図。

私に手番が回ってきました。相手玉は詰まないので、ここでは詰めろで迫るしかないですね。しかし、相手に詰めろを掛けた瞬間に、自玉が詰まされたら負けです。

ようするにこの局面、私の玉は詰めろか?

これは有段者なら比較的簡単なはずで、詰めろではありません。相手から私の玉に王手をかけてくる手段が限られているため、非常に読みやすい。無勉強で対局しても、これくらいは楽勝です(笑)

具体的には、△2八馬▲同玉△3九銀▲同玉△4八金▲2八玉△3八金▲同玉△4九龍▲2八玉(↓図)。

これで詰みません。以下、△3九銀なら▲1九玉。△4八龍なら▲3八合駒でセーフ。

初手の△2八馬から↑図の△4九龍まで、「有効な王手はこの1パターンしかない」という状況が連続し、変化の余地なく一直線。途中で枝分かれしないので、紛れはありません。玉が隅の狭い場所にいるので、詰む or 詰まないが判別しやすい。良くも悪くも穴熊の特徴ですね。

というわけで、▲7一銀△9一玉と下段に追い込んでから、▲6一龍と金を取りました。これで相手玉は必死です。相手は「詰んだっしょ」みたいな雰囲気で、△2八馬から勢いよく手を進めてきましたが……

ここまで進んだところで、相手が「あれっ?」という感じになり、手が止まりました。どうも何か勘違いしたようです。詰まないことに気付き、ここで投了されました。

無勉強が祟ったか、グダグダの将棋でした。が、なんとか1回戦敗退は免れたという結果をもって良しとしましょう。↑図、8八の角が完全に機能停止しています。大駒1枚を使わずによく勝てたよ……。

人数合わせの脇役・枯れ木も山の賑わいで参加するつもりだったのに、普通にイケそうな気がしてきました。前編はここまでです。

[続きの記事はこちら]【中編】ようやくエンジンかかってきたッピ

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