振り飛車一筋・KYSの将棋ブログ

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2年ぶりの将棋大会【前編】 トーナメント1回戦であばばばば

突然だが、私には夢がある(`・ω・´)

趣味の将棋を活かして将棋教室を開くことだ!

といっても、プロ棋士が運営するようなガチモードの教室ではなく、近所の子どもたちが気軽に将棋を指せるような場所を作りたいのです。近所のスーパーの入口にある掲示板には、地元の野球・サッカーチームなどの生徒募集のチラシが貼られています。あそこに「将棋教室 生徒募集中!」の貼り紙をしたい。

といっても、そこらのオッサンが将棋教室を開いても誰も集まらないでしょう。そこで必要なのが実績。ある程度将棋の実力がしっかりした人だと思ってもらう必要があります。

しかし、たとえば「都道府県大会優勝」や「全国大会出場」はキツいです(まぁ20代の独身の頃なら狙えそうでしたけど……)。その点、実は身近に手ごろな目標が一つあります。

市民将棋大会優勝

これならばそこまでハードルは高くないですし、地元の人たちに「おー、けっこう強そうだなぁ」と思ってもらうには充分でしょう。そして先日、市民将棋大会が開催されたので参加してきました。今回の記事は、その参加レポです。

コロナで将棋大会は軒並み中止 今回は久々の機会

コロナによって、将棋も大ダメージを受けました。この2年、将棋大会は軒並み中止となり、私のようなアマチュア将棋愛好家にとっては真剣勝負の場がなくなってしまいました。

それでも少しずつ制限が緩和されてきて、そんな中で開催が決定された今回の市民将棋大会。私にとっては、2年ぶりの対局です。

大会1ヶ月前から本格的に勉強を始めました。詰め将棋。棋譜並べ。自分が使う戦法の研究。2年前に参加した前回の市民将棋大会(→参加レポはこちら)は、不満の残る結果となってしまい、力の衰えを痛感しました。そのときの悔しさを思い出しながら勉強。2年前よりは、しっかりした状態で大会に臨めたと思います。

大会当日

いよいよ血戦の日が到来。

妻と娘がまだ爆睡している中、私は家を出ました。朝の冷気の中を、会場の市民ホールまで自転車で行きます。

開会式には、市長や文化局長が出席されていました。休日の、それもこんな早朝からお疲れさまです。

市長の挨拶では、やはりコロナの話が出ました。今回の大会も、開催するかどうか事務局で議論したとのことですが、「なんでも中止中止では、みなさんが勉強の成果を披露する機会がなくなってしまうし、将棋文化も衰退してしまう。感染防止対策をしたうえで開催しよう」となり、開催を決定したとのことです。

今回の大会は一発勝負のトーナメント方式

それではここで、大会の形式を説明しておきましょう。まず、参加者は「有段者クラス」と「級位者クラス」に分かれます。もちろん私は有段者クラス。

前回の大会は、まず二組に分かれて予選 → それぞれの組の上位成績者が決勝トーナメント、という二段構えでした。しかし今回は、コロナの関係でなるべく短く済ませたいため、参加者全員で一発勝負のトーナメントを行う形になりました。

持ち時間は、30分切れ負け。一局が必ず1時間以内に終わるため、大会終了時刻の見込みが確実です。

私の参加する有段者クラスは、10人ちょいでした。この人数だと16人式トーナメントの形になるので、優勝までには基本4連勝が必要です。

運命のくじ引き。16人に満たないため、数人は1回戦免除(シード)です。シードなら体力を温存できるうえに、1回戦の間は他の人の偵察ができます。

1回戦からの登場 orz

しかも相手が悪い。前回の大会で負けた人ではないか……。2年ぶりの対局なので、実戦カンが鈍っています。初戦にいきなり強い人と当たるのは避けたかったのが本音。

【1回戦】相振り飛車

序盤 いきなりしくじって不利に

戦いの幕は切って落とされた──! 前回の大会で敗れた相手に、はたしてリベンジなるか? 私が先手番で、戦型は相振り飛車に。ところが、

序盤のウッカリで形勢を損ねる
orz

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いやぁ……これ酷くないですか? 久しぶりの実戦で緊張していたとはいえ、これはねーべ。今回の記事は【前編】などと銘打っているが、このまま【後編】を書くことなく終わってしまうのかっ?(笑)

苦心の末、なんとか局面が落ち着いたのが↓図。

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空中分解しそうなところを、角を使って踏みとどまりました。このまま流れが落ち着けば立て直せそうですが……。

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△6九角(↑図)。どこかでこの手が飛んでくると覚悟していましたが、早くも来たか。相手は流れを落ち着かせる気はないようです。

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角をぶった切ってきて、相手は攻め続けます。↑図の△3七桂成を▲同銀や▲同金と取るのは、△4五金と打たれてまずそうです。▲3七同角と取りますが……

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△3六金(↑図)。こちらの苦労が続きます。次に△4六桂などがありますが、▲4七歩と受けるのは受け一方過ぎてダメっぽい。というわけで、

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▲5五角打(↑図)としました。△4六桂を防ぎつつ、▲1一角成と香車を取る手や、△3五金なら▲3三歩と相手の飛車先を遮断する反撃を見ています。最悪▲7三角成という筋も。

我慢我慢我慢……からの形勢好転

このあたりが本局の勝負所だったと思います。私の▲5五角打に、相手は△4五桂と打ってきました(↓図)。

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うーん……? これはパッと見おかしい手です。攻め駒が重複していて、急所を外している雰囲気。これにうまく対処できれば形勢が好転しそう。第一感は▲5九角と逃げる手。が、それは△3七歩と打たれたときに凌げるか?(↓図)

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仮想図 この手に対応できなければ▲5九角とは指せない

↑図から想定されるのは、▲4八金△2六金▲1一角成△3八歩成という順(↓図)。

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仮想図 ▲同金なら△3五飛と飛び出せる。以下▲3九歩と受けて▲4四馬が間に合うか

これはどうだろうか。受け止め切るのは大変な気がします。↑図の△3八歩成では、△2七金▲3四香△3八歩成という順もあり、それでも自信がないです。

ただ、家に帰ってからの検討で、△3七歩には▲4八金ではなく、▲4七金と強くぶつける手があることを発見。

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対局中はこれが思い浮かばなかった

↑図から△4七同金▲同玉と進めば、8八飛の横利きも通ってきますし、私の方が有望です。

まあそれは局後の検討の話。対局中は、△4五桂に▲5九角では△3七歩で自信が持てませんでした。結局、△4五桂に開き直って▲1一角成を選択し、△3七桂成▲同金△同金▲同銀と進みました。

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↑図で相手に好手があれば寄り切られそうですが、幸い、ピッタリの手はなさそうです。実戦の進行は△1四角と王手をかけてきましたが、これはどうだったか。▲4七歩と受けて問題なく、ここでようやく形勢好転を意識しました(↓図)。

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ここから△3五飛なら▲3六歩△同角▲2六金で受け切り

相手も必死に攻めを繋ごうとしてきます。↑図から△3六歩▲4六銀△3一飛▲5五馬△3七歩成▲同銀△3五飛(↓図)。

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直前の▲5五馬では▲4四馬の方が△3五飛を消せてよかったか

ここから▲4六馬と引きましたが、そうではなく↓図のように▲4五金と受ければ手堅かったですね。

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仮想図 こう指した方がよかった

最終盤 勝ちを読み切って踏み込む

しばらく進み、局面はいよいよクライマックス。私の▲1五馬~▲4三歩(痛打)~▲4二歩成に、相手は△6二玉と逃げました(↓図)。

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私の玉も危険に見えます。具体的には、①△7九馬▲同玉△6八銀 ②△6九銀▲8九玉△7九馬▲同玉△7八銀打……といった筋です。ただ、相手の攻め駒が3枚(=盤上の馬・金と持ち駒の銀)と戦力不足なので、

  1. △7九馬▲同玉△6八銀は、▲同飛△同金▲同玉と進み、相手の持ち駒が飛車・銀では寄らない。1五馬が自陣の守りにも効いていて意外と安全
  2. △6九銀▲8九玉△7九馬▲同玉△7八銀打は、▲同飛△同銀成▲同玉△6八飛▲8九玉で逃れている

①②いずれも凌げている……と思う。時間切迫でしたが、勝ちと見切って堂々▲4一とと踏み込みました(↓図)。

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これで勝ちのはず……っ

受けのない相手は、②の筋で迫ってきましたが……(↓図)

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投了図

やはり私の玉は詰みません。ここで相手が投了しました。↑図は、次に▲3二飛などと王手をかければ詰みです。△7二玉と早逃げして▲3二飛に△6二金 or △6二銀としても、▲8四桂の捨て駒から詰みます。

リベンジ達成です。1回戦負けでブログのネタが無くなるという最悪の事態(笑)は避けられました。

[続きの記事はこちら]【中編】決め手を見つけたり逃したり

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